先日A社の社長さんから新規事業についての相談がありました。
ご自分の案を説明する姿勢が、どこか下向き加減に感じられたので、思い切って「ワクワクしていますか」と聞いてみたのですが、返事に前向きさは感じられませんでした。
どうしても業績が低迷していると姿勢が後ろ向きになります。
周りから「なんとかせよ」などと迫られて、ムリに新規事業案を考えることはよくあります。
A社の社長さんも、いつの間にか後ろ向きになり創業時の”初心”から離れていってしまった、そんな感じでした。
そういうときは気持ちが焦るばかりで、新たな試みもうまくいきません。
その点、ワクワクしながら取り組んだものはちがいます。
P.ドラッカーが、J.ウェルチ率いるGE(General Electric社)のコンサルティングに行ったとき、「ワクワクして取り組める事業だけを残して、他は捨てなさい」とアドバイスしたそうです。
そのとおり実行した結果、ウェルチのGE は見事に立ち直ったということです。
他社の先を行く”発想”を得るには、未来はどうなっていたいかを先に描くやり方が有効です。遡って今やるべきことを決めます。大切なのは、未来すなわち「ワクワクして取り組めるビジョン」を描くことです。
ビジョン達成時の充実感を想像して取り組めば、社長さんは自然に”笑顔”になります。
その笑顔はすぐに社員みんなに伝わります。
そうなれば、社員たちも一緒になってビジョン実現に向けて頑張ろうとする”全社一体感”が生まれるのです。